研究総会延期のお知らせ
全国的に天候不順が続く折り、会員の皆様方に置かれましては如何お過ごしでしょうか。
さて、本年12月に予定されておりました第3回研究総会に関して、実行委員会の方から以下のように延期の連絡がありましたのでお知らせ致します。
第3回研究総会の延期について
薬用植物栽培研究会第3回大会は、2020年12月に佐賀大学での開催を予定しておりましたが、今般のコロナ感染の状況を鑑み、今年度中の開催は困難であるとの結論になりました。
つきましては、開催を一年程度延期させていただきたいと思います。
研究総会に参加予定の皆様には、どうかご了承のほど宜しくお願いいたします。
今後、開催内容が決まり次第、再度案内させていただく予定です。
薬用植物栽培研究会第3回研究総会実行委員会
新型コロナ禍の影響で様々なイベントが中止になる中、本会の2020度の研究総会(佐賀)も止む無く1年間の延期となりました。日々状況が変化する中、第3回研究総会運営委員会の渡邉啓一大会長をはじめ関係者皆様にはたいへんご苦労頂きました。
コロナ禍の陰で様々な問題点が浮かび上がりました。特に、低価格というだけで海外からの輸入品に依存してきた多くの日用品が供給不足となって支障を来し、国内自給の重要性に気づかされました。生薬についても、本会会誌最新号の巻末で紹介した新型コロナ感染症に対する漢方生薬の需要が急増し、また輸入の滞りもあって、国内市場は一部で供給不足に陥ったと聞きました。現在の漢方生薬の国内自給率10%は、漢方が国民医療を担うようになった今日ではやはり危惧すべき数値であると言えます。コロナ禍は主要生薬のみならず稀用生薬の国内生産も必要であることを私たちに知らしめました。
生薬の国内自給率向上の必要性が掲示されてから10年を過ぎようとしていますが、自給率は一向に改善されていません。漢方生薬需要の増大、医療費の高騰、高齢化社会の到来、耕作放棄地の増大など、関連するキーワードはいくつもありますが、輸入品の低価格という理由だけで国内生産が進まないのであれば考え直す必要があることを今回の教訓が示しています。
天然薬用資源の国内自給率向上のために行動を起こし、実践するに際し、学術的最先端にあるのは本会であると自負しております。これを機に、一人でも多くの会員が行動に移されんことを希望します。そうした取り組みの成果が来年度の研究総会で示されることになれば、意義ある延期になると考えます。なお、健康にはくれぐれもお気を付けください。